簡単そうで実は難しい水やり。植物を育てていく中でのトラブルで実は水やりが原因なんてこともしばしば。もう一度水やりの仕方を確認してみましょう。
水やりの目的
みなさんは目的をもって水やりを行っていますか。何も考えずボーっと水やりをしていると誰かさんに叱られてしまいますよ。目的は主に2つです。
土を湿らせる
植物が水が吸収は主に根から行われます。当たり前!って思いますが、霧吹きでおしゃれに水やりを済ませている方を時々見かけます。もちろんエエアプランツなど霧吹きが適当な植物もありますが、多くの植物はそういうわけにはいきません。人も植物も体内の90%以上は水でできています。植物にとって水は絶対必要な物質で、3つの重要な働きがあります。
- 植物の生育に必要なミネラル栄養素を溶かすこと
- 植物の身体を作る化学反応を行う場となること
- 吸収したミネラル栄養素、光合成で作ったデンプンなどを必要な場所まで運搬すること
水やりは植物を育てるにあたって非常に大切な役割を担っているのです。
酸素を送る
植物はどこで呼吸しているでしょうか。多くの方は「葉」と答えるではないでしょうか。もちろん葉でも呼吸していますが、実は土の中の「根」も呼吸をしています。 水やりをすることにより土壌の隙間に水とともに新鮮な空気が運ばれ、根も呼吸できるんだということを再確認しましょう。これがしっかりできていないと根が呼吸できず、根腐れなどのトラブルを引き起こすのです。
水やりの基本
よく水やりで言われる「乾いたらたっぷりと」。どうして乾いてからなのか、どうしてたっぷりなのか。みなさんちゃんと理解していますか?
乾いてから水を与える理由
水やりの目的でも書いたように、植物は根でも呼吸をしています。頻繁に水を与えすぎて常に土が湿っている状態だと根が酸素不足に陥り、腐って枯れてしまうことがあるからです。 根が呼吸するには、酸素が必要です。根は簡単に言うと土の中の隙間にある気体から※拡散によって取り込まれます。また酸素はご存知の通り、水分に溶けた状態でも存在し根に吸収されます。ですが、水分の中から酸素を取り入れるのと空気中(気体)から酸素を取りいれるのではスピードが10,000倍も差があるのといわれています。ですから、乾いた状態で空気から酸素を取り入れる環境があったほうが良いのです。
※補足 水耕法で育つ植物では、根が空気に接していなくても、酸素を十分に含んだ水が水流に乗って供給されるなら、腐ることはありません。潅水のみで根に酸素を送るのは現実的ではありません。
※拡散とは、散らばる広がる物理現象。ここでの場合酸素濃度が高いところから低いところへ広がるイメージ。
※引用元 Wikipedia
水をたっぷり与える理由
根は栄養や水分を吸収しますが、不要になった物質も分泌されています。また根から剥がれ落ちた細胞片やそれを栄養として増えるバクテリア、与えすぎた肥料も洗い流す役割があります。もちろん空気(酸素)の供給、入れ替えのためでもあります。そのため、水やりをするときは鉢からこぼれるくらいたっぷりと水やりをすることが望ましいのです。
水やりの時間帯
水やりをする時間帯気にしていますか?一般的には朝が好ましいといわれます。それは植物が昼間太陽の光を浴びて光合成を行います。その際に、水がかかせないからです。
真夏の水やり
よく夏の炎天下の水やりは水の温度が上昇して根によくないと言われます。確かに高温の水は溶存酸素量が通常の水に比べ 少ないので、根が酸素不足になりダメージを受けます。ただ、明らかに水不足を起こしている鉢に炎天下だからと言って水やりを夕方まで待つのはいかがなものでしょうか。 土と根が乾ききってしまうと枯れてしまいます。たとえ日中でも、一刻も早く給水する方が良いと私は考えています。水はけが良く、根が熱い水にさらされなければ、たとえ日中でも大量の水をかけてやることにより、土壌温度も下がり、高温で酸欠になることも起こりにくいと考えられます。 夏の水やりは大変なこものです。水枯れを起こした時のことも想定し、日ごろから水はけの良い土壌環境にも努めましょう。水はけの悪い土壌だと、水がいつまでも鉢の中にとどまり、高温化しバクテリアなのどの繁殖を助長し根腐れ等を引き起こしてしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は多くの植物に当てはまる基本的な水やりについて学びました。この知識を基礎に各植物の特徴にあわせた水やりを行いガーデニングライフを楽しんでいきましょう。